top of page

分譲マンション購入時の注意点、管理費等の滞納

分譲マンションを購入する際の注意点、以前も長期修繕計画、規約改正・整備、修繕積立金等にについて説明したことがありますが、管理費等の滞納状況も大切なのは皆さん当然ご承知と思います。

不動産仲介業者から開示されるマンション情報での滞納額、管理会社は滞納額の総額だけしか開示しない事が多いのですが、しっかりと内訳まで、何ヶ月の滞納者がそれぞれ何人いるかまで聞くべきです。 1~3ヶ月程度滞納者がいるだけなら大丈夫、普通のマンションです。

問題は一年以上の長期滞納者がいる場合です。その場合はどの様な法的手続きを取っているかも聞いてください。何らの法的手続きが取られていないのならば管理組合が機能不全に陥っている可能性があります。 そもそも、長期滞納者が放置されるというのは、 1.マンション管理会社にそもそも能力・意欲が無い。 2.管理会社担当フロントマンに能力・意欲が無い。 3.管理組合側が滞納者への督促に積極的ではない。(要するに同じ居住者同士事を荒立てたくないと。) 4.滞納者自身が理事長になって督促を妨害している。(本当にあった話です。) 等々です。 管理会社、フロントマンをコントロールするのは管理組合ですから、結局は管理組合側の問題です。

滞納は長期化すればするほど回収が大変になります。金額が大きくなればなるほど返済が困難になるのは当然のこと。 そもそも管理費・修繕積立金は共有財産であるマンション共用部分の維持管理に必要な費用。オーナーとして当然負担すべきものであり、これが支払えない方はマンションを所有する資格はありません。支払えなくなった時点でマンションを手放すのが正しい選択なのです。

一部のビンテージマンションを除き、マンションの価格は時間の経過とともに下がって行きます。 管理費等を滞納する方が、仕方がなくマンションを最終的に売ることになるとしても、一年経過していれば一年分はマンション価格が下がる可能性があり、一年分は確実に滞納額が積み上がるわけです。管理費等は特定承継人(売買時の買い主等)に引き継がれる事になっていますので、実際上、滞納額は売買代金で精算するか売買代金そのものをその分下げて買い主に後で払ってもらうしかありません。 結局は一年間引っ張っただけ、滞納者の手元に残る金額は少なくなるのです。もし住宅ローンが残っていて、売却の手取り額でローン完済が出来ないのなら、金融機関の了解を取り付けるのも大変になります。2年3年と滞納すると、いよいよ手取り額が少なくなり、滞納のあるマンションは売れづらくなるので価格・相場がますます下がり、身動きが取れなくなるのです。滞納を放置するのは滞納者自身にとっても不利になる話なのです。 もちろん、他の区分所有者に取っても滞納はよくありません。 滞納が積み上がっているマンションは不動産の事を良く知っている方、管理費はキチンと払うべきだというモラルを持っている方は手を出さないので、当然価格が下がって行きます。逆に言うと滞納額が多いマンションに手を出すのは不動産に詳しくない方、そして自分も管理費をキチンと払おうというモラルの無い方となります。現に滞納額が多額となっていれば、後から入居した自分が滞納してもそれ程厳しくは追求されないだろうと考えて購入(しかも相場より安く)する訳なのです。 そういう方が何人か入ってきて、しかも役員に納まってしまった場合は目も当てられない事になります。

本来はそんな事にならないように管理会社がしっかりすれば良いのですが、管理会社は管理業務や自社工事部門の売上・利益のアップにしか興味が無く、滞納管理費の回収を真面目に行うフロントマンには冷や飯を食わせる事が多いのが現実です。勢い、組合のために管理費の回収という汚れ仕事を上手に手を抜くフロントマンが多くなってしまうのです。 やはり管理組合側の体制、管理会社をしっかりと監督する姿勢・能力が重要なのです。

滞納管理費の回収は適切に行えば管理組合の実質的費用負担無く行うことが出来ます。 管理費等の滞納がある管理組合は、管理会社のコントロール方法も含めて、実務経験、法律知識の豊富な専門家に相談し、管理会社の監督体制を整えるべきです。

bottom of page