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国土交通省より、外部専門家の活用ガイドラインが発表されました!

「国土交通省HPに「外部専門家の活用ガイドライン」が発表されました!」との連絡を受け、早速、目を通しました。(さっとですが・・・)

A4版で34ページに及ぶ大作です。感想は・・・

まあ、いろいろツッコミたい気持ちは抑えて、僕の気になったポイントとしては、

『管理会社自身が管理者となっている現実に対する言及が少ないな』

ということです。

 元より、外部専門家導入提言の原因である役員の成り手不足に対し現実になされてる対応は、管理会社自身が管理者となって管理者管理(第三者管理)を行っているということです。

現時点における、『外部専門家による管理組合支援』は管理会社自身が管理者となることによって代替されてしまっているのです。

 このガイドラインでは、外部専門家による『利益相反の禁止』、『不適切な工事発注』や『総会での不適切手続き』(規約違反の議決権行使受任等)について言及されていますが、これらは、管理者自身が管理者となることにより今現在、現実の管理組合運営で行われているかも知れないことであり、『いまそこにある危機』をスルーして『将来起こるかもしれない危機』への対策を云々されていること自体、大変歯がゆい感じを受けました。

 今回のガイドラインでは、この管理会社が管理者となることについての言及は、次の文章だけでした。(外部専門家の活用ガイドライン4ページ)

『投資型マンション等においては、分譲当初よりマンション管理業者が自ら管理者に就任しているケースが見られます。本ガイドラインは、このような投資型マンションや管理業者が自ら管理者に就任する場合の手法についてお示ししているものではありません。なお、区分所有者の利益追求と管理業者としての企業収益の追求とは、立場や目的が異なると考えられることから、利益相反の観点から十分に配慮が必要です。』

(下線部は筆者)

 この言葉は誰に向けられたものでしょう?管理組合でしょうか?それとも管理会社に対してでしょうか。

 いずれにしても、現に行われている不適切行為(本来、自己契約・双方代理は民法第108条違反の行為です。)はさらっと流して、これから行おうとする行為に対してあれこれ利益相反云々と注意するのは、『管理会社による不適切行為は見逃すが、外部専門家による不適切行為は取り締まるからな!』と言われているようで大変不快に感じます。

 国土交通省としては、将来の天下り先になるかもしれないマンション管理業界には甘くしておき、外部専門家になるかもしれないマンション管理士等には厳しいことを言っておいて釘を刺すということなのでしょうか。(まあ、半分冗談です。きっと。)

 さて、この「外部専門家の活用ガイドライン」でここまで外部専門家による利益相反行為、不適切な工事等の発注防止、総会運営での管理者への委任は不可であることと等を事細かに言われた以上、管理会社が管理者になっているケースでこのような不適切行為が行われた場合は、監督官庁である国土交通省はマンション管理会社に対しきっと厳しい態度で臨むことでしょう。そうでないと本当に自分の将来の天下り先には甘いといわれかねません。

 翻ってマンション管理会者自身から見た場合、自社が管理者となっているということは大変リスクのある状態であることが明らかになったわけですので、速やかにリスク回避の方策をとることが必要になったと考えられます。なんら対策を取らないということは、自社が管理者となるリスクより利益の方が上回る、すなわち、管理会社にとって有利な条件での管理委託契約が出来ているとか、工事受注が見込めるとかが推察されてしまうからです。でもそれってもろに「利益相反行為」が行われているということですよね。

他にも言いたいことはありましたが、今日はここまで。

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