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管理組合の印鑑を持っていると業務停止処分!?

皆さん、ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか? 今年もあっという間に3分の1が過ぎてしまいました。 そして、今年にはいってから本日(5月10日)迄に、マンション管理業者に対する指示監督処分は計6件なされ、うち2件は業務停止処分という重いものです。 (国土交通省のネガティブ情報検索サイトはこちら

http://www.mlit.go.jp/nega-inf/cgi-bin/searchmenu.cgi?jigyoubunya=mansyon) その業務停止処分を受けた内容を見てみると2件とも、『管理組合の通帳と印鑑を会社で所持していたこと』(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第76条違反、第82条第2項該当)によるものです。 その他の指示処分のみで済んでいるものは、『社員が管理組合のお金を横領したこと』などです。 管理組合の印鑑を管理会社が所持することは管理組合のお金を横領することより重い行政処分が下されるのです。もちろん後者は一社員が犯した刑法犯、前者は会社として行ったことなので、会社に対する行政処分は前者の方が重くなるのは当然と言えば当然。 しかしこの業務停止処分を受けた2社はある意味脇が甘かったからこのようなことになったのです。管理組合の印鑑を管理会社が所持することは業務停止処分を受ける程の法律違反行為なのですが、実は法律の抜け穴があります。それは、管理会社自身が管理組合の『管理者』になってしまうこと。この場合であれば、何故か堂々と管理組合の通帳と印鑑を所持出来るのです。多くの管理会社は、自社が管理者に納まることで実質的に法第76条違反であるにも拘わらず行政処分を免れているのです。もちろん国土交通省も何も言いません。 元々、法第76条は、管理会社が管理組合の通帳と印鑑を同時に所持して、管理組合のお金を横領した事件が多発したことから定められたもの。しかし、このように抜け穴があるのではザル法と呼ばれても仕方ありません。 管理会社が『管理者』となるのは非常に問題のある行為です。さらに、実質的に法第76条違反の状態にあることを考えると、自社が管理者となっている状態を放置している経営陣の危機意識の無さにも唖然とします。 自社が管理者となって管理組合の通帳と印鑑を同時に所持しても行政処分が下されることはありませんが、もし、この印鑑を使って横領がなされた場合、会社として印鑑を預かっていることを考えれば、業務停止処分はおろか、マンション管理業者としての登録取消処分(要するに廃業を命ぜられる)になりかねないからです。普通、管理組合の印鑑を社内で保管しているのはそれなりの立場(管理職など)の方のはずですから当然です。 国土交通省も、管理会社自身が管理者となることは不適切であると考えているからこそ、昨年(2016年)の3月14日に発表された『マンション標準管理規約』において、『外部の専門家による管理者管理』の導入について言及されたのです。外部の専門家に印鑑を所持してもらえば、法律違反の状態は解消され、横領の抑止策になることは間違いありませんから。 それから一年以上が過ぎた今、何らの対策を採っていないマンション管理業者の経営者は、『事業の継続性に関する危機管理が出来ていない経営者』であることを自ら広言しているようなものです。

それでは、マンション(区分所有ビル・オフィスを含む)の管理者として適切な者は誰か?マンション管理士なのか?それはこのホームページをご覧ください。

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