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管理会社変更(リプレイス)のリスク

  • 執筆者の写真: arcstar-cmco
    arcstar-cmco
  • 2017年2月1日
  • 読了時間: 5分

分譲マンションの経費削減策として良く行われている管理会社変更(リプレイス)

そのリスクはあまり説明されることがありません。  ちょっと考えればわかることなのですが、同じようなサービス(商品)を低価格で提供するということは、何らかのコストカットが行われているということ。それが仕様変更(定期清掃の回数削減等)で目に見える形でわかれば納得して削減する訳で良いのですが、そうではない場合は注意が必要です。何らかのリスクがそこに潜んでいるからです。  マンションの管理の仕事は労働集約的で、機械化して少人数で大量の仕事をこなせるようになる質のものではありません。  管理会社は営利企業ですので、利益を度外視して価格設定することは原則としてありません。 常に他社よりも安い価格でサービスを提供出来る、価格競争力があるという管理会社は、何らかの理由があってそれが実現出来ているのです。では、どんな理由が考えられるでしょうか。

1、再委託先、下請け先が安い。  これは、「ではなぜ再委託先、下請け先が安いのか?」という問題を発生させます。 2、社員ひとり当りに、他社よりも多くの物件を担当させる。  要するにそのマンションに投入する人員を削減する訳です。フロントと呼ばれる担当者のみならず会計業務を担当する者、保守営繕・設備面を担当する者も含まれます。一人で多くの物件を担当すると、マンション一棟当りに割ける労力が当然少なくなり管理の品質が落ちて行く事になります。また、社員の仕事量の増加は残業に繋がります。皆さんご承知のとおり残業には割増賃金を支払わなければならないので企業は残業を抑制するか、またはサービス残業を暗に強いるようになります。 3、会計業務等管理マンションに行かずとも業務できる仕事を地方や海外等人件費の安いところで行わせる。  しかしそれでもフロントマンや修繕担当などはマンションに行かねば仕事にならないので,どれほどの削減効果があるかは疑問です。ましてや管理員や清掃員はマンションに勤務できるところに住んでいる必要があり,ここのところは削減出来ませんよね。 4、管理サービスを低価格で提供する代わりに大規模修繕工事を高い利益率で自社で受注する。  数年後に大規模修繕工事が予定される時期になると、なぜか管理会社が組合宛にダイレクトメールを送ってきたり、突然(どうやって調べたのでしょう?)理事長のお宅に訪問営業をかけてくるようになります。大きな金額が動く大規模修繕工事で利益を得るため、管理サービスを低価格設定にして営業してくるのです。このような会社は管理の質の向上に(社内的には)熱心ではない可能性がありますし、大規模修繕工事自体も利益幅を大きくとるため値段が高くなるか、下請け先に極端に安く行われせるため低品質となるリスクを抱えます。大規模修繕工事が終わったり、工事そのものを管理会社が受注出来なかった場合には管理会社のそのマンションに対するモチベーションが下がるは当然です。 5、社員の人件費が安い。  企業ごとに給与水準が違うのは皆さんご存知のとおりです。社員の人件費が安ければ、サービスも安く提供できるのは当然です。これは上記の「1、再委託先、下請け先が安い。」の「ではなぜ再委託先、下請け先が安いのか?」の理由ともなります。

 この「5、社員の人件費が安い」はその管理会社のサービスの質、業務の質に影響をもたらします。労働力が余っていて仕事(求人)が少ない状況なら良いのですが、求人が増えて人手が足りない状態となってくると、ある程度業務経験を積んだ「仕事のできる社員」はより条件の良い管理会社へ転職するようになるからです。同時に給与水準の低い管理会社は人手不足となってもなかなか良い人材の採用が出来ず、それほど優秀ではなさそうな人材を採用せざるを得なくなります。マンション管理の仕事は、そうそう簡単に機械化して品質を向上させられるものではなく、社員の知識と経験が物を言う仕事なのですが、知識と経験を積み上げた社員が次々と辞めていく管理会社は、サービスの価格が安くてもその品質はいつまでたっても向上しません。  そして「知識と経験を積み上げた社員が次々と辞めていく」ということは、他の社員のモチベーションを下げ、マンション管理組合から見ても「担当者が次々変わりしかも次にくる担当者は未熟である可能性が高い」といったマイナス面をもたらします。  ですが、この「知識と経験を積み上げた社員が次々と辞めていく」状態は実は経営者にとっては(短期的には)大変良い状態なのです。知識と経験があるということは社内でもそれなりに給与水準が高くなっているわけで、給与水準の高い社員が退職してくれれば、会社全体の平均給与、一人当たりの給与が引き下げられることになります。それまでたとえば10人で行っていた仕事を、退職者が出ることにより9人で行わせることになるわけですから、上記の「2、社員ひとり当りに、他社よりも多くの物件を担当させる。」の状態となり、一人分の人件費が浮いて(経費削減出来て)その分利益が増えるわけです。短期的には増益要因となるわけです。 このように、「他社よりも安い価格でサービスを提供出来る、価格競争力がある」という管理会社には、構造的に、「サービス品質が良くない、向上が見込めない、担当者交代のたびに質が落ちていくリスクがある」ということがお分かりいただけたことと思います。

 昨今の人手不足は管理会社にも及んで来ており、管理会社の社員がより上位の(給与水準の良い)会社に転職する例が増えて来ているとのことです。また、ある大手管理会社は最近、フロントマンの給与水準を引き上げることにしたとの話も漏れ聞こえてきました。いよいよ人材確保が難しくなって来たのでしょう。

 マンションの管理経費の削減方法として行われている管理会社のリプレイス(管理会社変更)のリスク、それはパッと見には分からないサービスの質の低下です。実際に管理会社を変更してから、じわじわと感じてくるようになります。  管理会社リプレイスによる管理費削減を成功させるためには、サービスの質の低下を許さない監督が重要になります。経費削減した原資の範囲内で外部の専門家を役員に迎え入れて管理会社を監督させることが有効です。リプレイスの際はそこまで考えて取り組まれてはどうでしょうか。

 
 
 

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